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2019年1月29日 (火)

ネガティブ・ケイパビリティ

Book帚木蓬生著「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

家内が去年の暮れ亡くなり、突然受けた心の痛み、少しは和らいだかに思われるが、未だ何かにつけ思い出しては涙の滲む毎日だ。

「山の中の一軒家」のテレビ番組が好評で、私も欠かさず見ている。行くと見ているよと言う人が多い。昨日のは奥様が信仰する或る宗派の別院が山中に建てられ、それを任された。御主人も感化され僧侶となる。しかし奥様が亡くなり御主人が後を継ぐ事となる。

それから大分経つらしいのに、思い出して涙され話が進まなくなる場面もあり、貰い泣きした。しかしお坊さんでさえそれなのだからと、私も少し慰められた。

ところで精神科医の帚木蓬生は、隅々まで行き届いた小説で素晴らしく、随分読んできたが、本書は医学啓蒙書に入るのだろう。

世の中は受験に象徴される様に、結果を如何に早く出すかという事で全て進行しており、これはポジティブ・ケイパビリティであると。医者の治療も例外ではない。治せないとなると困ってしまう訳だ。

これに反してネガティブ・ケイパビリティとは、どうしようもない事に直面した時、答えを出そうとせず、その状態に耐えて行けば、やがて何とかなるというものだ。

今の社会特に医療の現場では、治療により治すことに全力が注がれているが、治せそうもない時の患者や家族への対応はどうか。

家内の場合も色々手を尽くしたが、所詮治らない状況になったと見られ、先生方もそれなりにやって下さったと思うが、残された私としては、未だショックから回復出来ていない。しかし本書を読んで幾らか気持ちが収まった気がする。 ★5

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