« シバザクラ | トップページ | 土俵と女性 »

2018年4月 3日 (火)

わが母の記

Book井上靖著「わが母の記 (講談社文庫)

井上靖のものを大体集め、順次読んでいる。時代物やシルクロード方面と、広い範囲の著作がある。

随分前「しろばんば」というのを読んだ。伊豆は湯ヶ島の郷里で祖母に土蔵で育てられた小学時代を描いたもので、凄い田舎の情景が面白かった。

25歳頃から書き出すが、43歳の時ようやく「闘牛」で芥川賞。しかし83歳で亡くなる迄次々と発表したので数は多い。

男女の仲を描いたものはどれも抑制の利いた、爽やかな読後感が良い。男が事業家であるのが多く、今読んだ「黒い蝶」「貧血と花と爆弾」も同系の物だが、前者は一応良く出来ていると思ったが、後者は登場人物が多すぎ、その性格もよく分からぬまま詰まらない終わり方だった。

そこへ行くと映画化もされたという母の回顧録「わが母の記」(花の下、月の光、雪の面の三部作)は静謐という言葉が最初から最後まで感じられ、何回でも読み返したい作品だ。 ★5

|

« シバザクラ | トップページ | 土俵と女性 »

読書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« シバザクラ | トップページ | 土俵と女性 »