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2013年12月 3日 (火)

廃院のミカエル

Book篠田節子著「廃院のミカエル

篠田作品は皆読んで来たが、最近5作品は未だだった。というのは文庫化されてないからだ。安く、場所をとらずということで、飽和状態の我家対策でもある。解説が付くのも有難い。その解説によるとかなり後半加筆され面白くなったとか。他の「銀婚式」「ブラックボックス」「ミストレス」などの文庫化が待たれる。

インコは戻ってきたか」はギリシャとトルコが島を分かち、未だに争っているキプロス島で、日本人が巻き込まれる話だが、これはギリシャの北部アトス山中に多くある修道院が舞台で、例の如くサスペンスに展開するが、一応納得のいく結末だ。

主人公の美貴は篠田作品によく登場する元気一杯の女性だが、この地独特の蜂蜜に魅せられ、世に出さんと目論む。これに修道院の壁画の修復者である吉園、現地で結婚した綾子の3人が絡みあって物語りは展開する。

修道院といえば、私は北海道のトラピスチヌ修道院を訪れたことがある。観光化され修道女達の作品も売られていた。彼女達とは隔てられており、それが逆に厳しい信仰生活を想像させ、家内等は私以上の感銘を受けていたようだ。

例によって丁寧な取材によって書かれた作品であろう。主人公の目的からは、多少物足りない感がしたが、充分楽しめた。 ★★★★☆

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