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2011年11月27日 (日)

仮想儀礼

Book篠田節子著「仮想儀礼」上、下。

宗教をテーマとした作者のものとしては、聖域ゴサインタンー神の座弥勒などを読んできたが、これは新興宗教と本格的に取り組んだものだ。

公務員である鈴木正彦は編集者矢口誠に係ることで、金儲け目的の自身が教祖となる新興宗教を設立するに至る。他のと違うところは、なんだかんだと高い会費などで信者から巻上げるシステムをとらない。つまりお寺のようなお布施のみである。

しかしホームページなどで信者が増え、会社社長が後援するころからは順調に大きくなってゆくのであった。しかし所詮金儲けのための宗教であり、やがて転落への道を歩むのだが、その様はイェスの方舟やオウム真理教と家族の争いを思い起こさせた。

主人公の正彦は信仰者でもないのに、言うことは全て頷けるものばかりで、何時尻尾を出すのかと思って読んでいたが、これはまともな人物だからそうはならないのかなとも思わせた。果たして最後まで残った熱心な信者により逆洗脳?され・・・。なお作者の得意なホラー性は極力抑えられている。

イェスの方舟やオウム真理教が土台としてある訳だが、オウムの場合は沢山の真面目な弟子が死刑になり、教祖は責任逃れの一手だ。そのような状況を生み出した世間への批判の書でもあると捉えた。 ★★★★★

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