見る美 聞く美 思う美
節子・クロソフスカ・ド・ローラ著「見る美 聞く美 思う美」
来日したパリ生まれの画家バルテュスに見初められ結婚した、自身画家でもある女性の随想。バルテュスは日本の古典について造詣が深く、彼女の和服姿もバルテュスの強い要望によるもので、バルテュスの方が日本の昔のことを良く知っており、逆に教えられる日々だったらしい。
ローマのモンテカルヴェロ城や、スイスの大きな木造ホテルなどを購入、上流階級の暮らし振りとて、服飾や宝石の話など、金銭的に豊かな人々の話ではあるが、決して贅沢をするという遣い方ではなく、女性の細やかさが行き届いたエッセイとなっている。
そのような恵まれた生活の節子だったが、二歳六ヶ月で長男を難病で亡くした時は、大きな衝撃であったが、その死を美しいととらえる用意が出来、人間として成長したのではないか。
九十二歳で死去したバルテュスと一人娘春美、三人の別れの場面も美しく、なんて素敵な人達なのだろうと思わせられた。
バルテュスは非常に日本を愛し「黒船の来航は残念であった。鎖国時代に純粋な日本の文化が培われ発展した」と言っており、彼からいにしえの日本の素晴らしさを教えられる思いだ。
節子は最近「徹子の部屋」に出たが、本書にも掲載の自身デザインの和服で現れ、色々にこやかに話されていた。本書は吉永小百合推薦だそうだ。 ★★★★☆
| 固定リンク

鳥類標識調査に疑問



コメント