篤姫
宮尾登美子の作品は何だか難しそうで、読んだ事が無かった。今度NHK大河ドラマで取り上げられた。大河ドラマは"樅の木は残った"や"赤穂浪士"の頃は良く見たが、やたらと切った張ったや大声で怒鳴る場面が多くなり、何時しか遠ざかってしまった。
今回の"篤姫"はそういうのはあまり無く、大奥での女達中心のドラマとして女性に好まれそうな線を行ったのだろうか。久しぶりに見てみたら中々面白く、45分がアッという間で次回が待ち遠しい。
そして原作を見てみようという気になり、買ってきたのを上下各400ページ、痛い目を我慢しながら一気に読んだ。
篤姫は21歳で将軍家定に入輿、僅か1年9ヶ月で家定他界、26歳で16歳の皇室より降嫁した和宮の姑となる。30歳で江戸落城に遭遇、47歳で激動の時代に波乱の人生を閉じた。
原作にはTVのような肝付尚五郎のちの小松帯刀は登場しないし、西郷など薩摩藩士の物語も無い。西郷は入輿調度係と、最後にちょっと出てくるだけだ。
↓天璋院画像 川村清雄筆
家定はTVでは馬鹿殿的登場だが、原作では気の小さい家定が将軍職の重圧に耐える様が痛々しく、それに対する篤姫の暖かな対応に涙した。
篤姫が大奥をしっかり掌握して、江戸城明け渡しで右往左往する表の男達との対比はいささか誇張気味だが・・・
生まれ故郷の薩摩藩より落城前に引取りの申し出でに「女が一旦嫁したからには、その嫁ぎ先の家が即ち終焉の地であって、たとえ実家と婚家が戦火を交える如きことに相成ろうとも、この儀は未来永劫変わりませぬ。・・・私がこの大奥を去れば誰があとを守ろうぞ。・・・薩摩が私をたって連れ戻そうとするならば私はこの場において自害する・・・」というくだりではしばし本を置いた。
所詮保守的な女性であって、あまり時代の激動に対する認識は見られなかったとする書評があったが、権力の強い所ほど政略結婚の横行するこの時代、その典型であった篤姫や和宮が政治の情報の少ない大奥で最善を尽くしたと見たい。
男尊女卑の時代にあって、女性の事は歴史資料にもあまり残されていない中、良く調べ上げたと思う。宮尾作品を読んで見たくなった。
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宮尾登美子「天璋院篤姫」 



コメント
去年の暮あたりからだったかしら、我が家でNHKが見られるようになったの。(><)
これでやっとNHKの大河ドラマを見られると楽しみにしていたのですけれど、テレビを見る習慣がないので、どうしても忘れてしまう。
この前も、あっ!と気付いたのが8時43分。篤姫、まだ2回しか見てません。(泣く)
本を買ってみようか、今日はずっと迷っています。歴史物は読んだことないので、読めるかどうか不安です。
ところで、amazonにリンクしていますが、ここからamazonへ行って買い物すると、せいざんさんにポイントが入りますか? だとしたらamazonで買うわ。
投稿: AyeYai | 2008年5月26日 (月) 23:05
AyeYaiさん。
本はテレビと違って言葉のあやが微細に描写されていて、また違って良いと思います。和宮付女官の京言葉と大奥女中の諍いなど面白いですよ。
難しいのはどこ出身の何様と言うのが沢山あるのがややこしいですが、主要人物は繰り返し出てくるのでそのうち覚えます。他はNHKのサイトに系図があります。
http://www3.nhk.or.jp/taiga/cast/cast1.html
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投稿: せいざん | 2008年5月27日 (火) 09:08