黄砂
中国の内陸であるタクラマカンやゴビの砂漠地帯から、偏西風に乗って黄砂がやってくる季節となった。日本も九州や中国地方の西海岸部がひどいようだ。春になって多いのは、発生地の土地の乾燥状態や気象条件によるらしい。
大連市で生まれて引揚げた私は、幼い頃黄砂をよく経験している。昼間でも雨雲の曇りよりひどい暗さで、黄色い帳が下りて鬱陶しい。満州の家の窓は二重になっているのだが隙間より入ってきて、清潔好きな母は一日中雑巾掛けでくたくたになっていた。
あれから60余年経ち、更に酷くなって来たらしい。北京、上海等の大都市での視程は、経済発展による大気汚染との相乗効果で大変悪くなっており、呼吸器系の弱い市民は外出時にマスクを手放せない。
砂漠緑化事業など植林その他の対策が随分前から色々行われているが、十分効果をあげていないのが現状で、最も大きな被害としては、1993年に内モンゴルで発生、死者112名、家畜の死亡48万頭に及んだ。
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