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2008年1月19日 (土)

岡本綺堂随筆集

Book 岡本綺堂随筆集 。岡本綺堂というと"半七捕物帳"が有名で、捕物帳の元祖だそうだ。探偵物は洋の東西沢山あり、読み出すときりが無いので最近は全く読まない。

今回綺堂の随筆集を読むと、綺堂はむしろ幼年期より芝居に興味を持ち、劇作家の道に入り捕物帳はその後に作られたそうだ。作者は江戸や明治期の人々や事柄に深い興味を持ち、優しい文章が楽しませてくれた。随筆集のなかで私が感銘を受けたのを二つほど記す。

ランス紀行:第一次世界大戦後のフランスで、戦後の廃墟を巡るという呆れた企画があり、そのツアーに参加した著者が一本の立ち木も無い荒廃した丘に、赤いヒナゲシが人間の争いを知らぬげに一面に咲いているのを目撃、

「・・・責任者はある。しかしながら戦争そのものは自然の勢いである。欧州の大勢が行くべき道を歩んで、ゆくべき所へゆき着いたのである。・・・」と感慨にふける。

温泉雑記:交通不便なこの頃の温泉では永逗留が多く、浴客同士の交流があったが、日帰りも出来る様に便利になってくると、お互いの挨拶も無くなるなど、今のことかと思うが明治時代の話だ。

江戸の風情が残る明治、大正時代の東京の人々の様子が活写され、去年読んだ渡辺京二著「逝きし世の面影」を思い出させた。

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