(大連の思い出21)海水浴と兵隊さんの慰問
海水浴場は3ヶ所ばかり行った内"老虎灘"が最後となった。湾の向こうに虎が寝そべったような岬がある。未だ泳げなかったのが、ここで初めてバタ足で2~3m泳げるようになり嬉しかった。がその時老虎の向こうの海より、巨大な水柱が上がり皆大騒ぎになる。敵潜水艦の攻撃があり駆逐艦が爆雷を投下したのだった。
ということで商船が湾内に避難して来て、乗客が向かいの岸に上陸しているのや、沖合いを走る駆逐艦等を皆呆然と見ていた。水泳はそれきり中止になり、やっと泳げた私だがそれ以来水泳どころで無い生活で大人になってしまい、未だに泳げない。
家の東にある転山々頂には高射砲陣地が出来ていたが、そこの兵隊さんを各戸交代で招き慰問の接待をする事となった。我が家にも2~3人連れ立って何回か来たが、酒食のもてなしと家庭の雰囲気は兵隊さん達には嬉しかったことだろう。
1人羽目を外して飲みすぎ、仲間にもう止めろと言われても「これからや」と大声を出し、家では「これからや」というあだ名で呼んだ。その兵隊さんがへべれけで皆に肩車されて帰っていったが、後日聞いたところでは、上官の前に立ったとたん直立不動になり「ただ今帰りました!」としゃきっとしていたそうだ。
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